【USB】Quick Chargeは通常時usbデバイスを認識できない
USBメモリを指しても認識せず、はて?と思ったらそのポートがQuick Charge3.0だったというお話です。
Quick Chargeが有効なUSBポートはデータ転送ができない
Quick ChargeはUSBポートを介して行われる高速充電を可能にする技術だそうです。
Quick Charge(クイックチャージ)とは、米国QUALCOMM社が開発したスマートフォン・タブレットを高速で充電できる規格です。
sanwa supplay 「Quick Charge(クイックチャージ)とは」より引用
ですが、Quick Chargeはデータ通信が行えないため、USBメモリやマウスなどの機器が使用できません。
見かけは通常のUSBポートと変わりませんが、その実態は外部への電源供給用ポートと言ってもよさそうです。
なぜデータ転送が行えないのか
USB-typeA(最も一般的なUSBの形)には4つのピンがありそれぞれで異なる電気信号をやり取りしています。
【USB-typeAのピンアサイン】
ピン | 信号名 | 役割 |
---|---|---|
1 | VBUS | 電源供給 |
2 | D- | データ通信 |
3 | D+ | データ通信 |
4 | GND | 電源供給 |
通常のUSB-TypeAは1・4でUSBデバイスへの給電を行い、2・3でデータのやり取りをしています。
ですがQuick Chargeではこの2・3ピンも電源用に使用しているようです。
USB Type-Aコネクタの標準4ピンは「Vbus」「D-」「D+」「GND」となっており、通常はVbusの電圧を変化させて通電を行い、「D-」「D+」の2つのピンを使ってデータ通信を行っている。Quick ChargeではVbusの電圧を通常の5V以上に設定するケースがある(modify Vbus voltage beyond default levels)ほか、さらに「D-」「D+」を使って電流の制御も行う(alter sink/source roles)という独自手法(proprietary)を採用している。
マイナビニュース「Googleが「Quick Charge」などUSB PD以外の急速充電技術排除に向かう理由」より
普段データの通り道になっている2・3ピンまでもが電源のやり取りに使われるためデータ通信ができないというわけです。
Quick Chargeからデータ通信モードに切り替えればUSBが使える
Quick Chargeが有効な場合はUSBポートが正常でもデータ通信が行えずUSB機器の仕様ができません。
USBデバイスを使いたい場合、Quick Chargeを無効にしてあげる必要があります。
無効にする方法はお使いのPCによって異なると思いますが、今回私が遭遇したのがMSI製のノートPCだったのでそちらを紹介します。
MSI製のノートPCにプリインストールされているCreater CenterのSystem TunerからQuick Chargeの有効・無効を切り替えることができます。
最後に
普段何気なく使っているUSBですが調べてみると色々興味深かったです。