【SSD】SSDのデータ復旧が難しい理由

【SSD】SSDのデータ復旧が難しい理由

SSDはHDDに比べてデータ復旧が難しいと耳にしますが、なぜSSDはデータ復旧が難しいのでしょうか。

SSDにおけるデータ削除の流れ

通常PCでデータを削除したとしても、そのデータは完全に消えたわけではありません。

ストレージ内の1という場所にAというデータが保存されていたという、保存場所を記した情報を消しているだけです。

図書館で本を処分する時をイメージしてください。

本を処分する場合、

  1. 蔵書一覧から本を削除する
  2. 本をごみ収集に出す

この2つの作業が必要だと思います。

PC上におけるデータの削除は蔵書一覧から削除しただけで実際にごみ収集には出していない状態です。

では、どのタイミングで本をごみ収集に出すのでしょうか。

SSDにおいてはTRIMが実行された時がごみ収集に該当します。

TRIMはOSによってSSDに通知され実行されるSSDのパフォーマンスを維持するための仕組みで、使わなくなったデータを削除する機能です。

PC上でユーザーが行った削除が索引の削除だったのに対し、TRIMはデータの実体を削除する機能だといえます。

TRIMがかかったら復旧できない

TRIMがかかるまではデータの実体は削除されていないため、TRIMがかかる前であればデータ復旧できる可能性は高いです。

しかし厄介なのはTRIMがいつつかかるか分からないという点です。

OSはデータを削除したらSSDに対して、このデータはTRIM対象のデータですという目印を送ります。

TRIMの制御はSSDに組み込まれているコントローラーによって行われているため、TRIMしてもいいですよというフラグを受け取ったあと、実際にいつTRIMを行うかはよくわかりません。

データ復旧の可能性を上げるために少しでもユーザーができることは、間違えて大切なデータを消したと思ったらすぐにPCの電源を落として、その消してしまったデータの入っているSSDをデータ復旧業者にもっていくことです。

HDDはTRIMがないからデータ実体が消されない

対してHDDは、データ書き換え時に直接上書きができるためTRIMという仕組みが必要ないためHDDに対してゴリゴリ書き込みしない限りはデータ削除後もデータの実態が残っていることが多く、SSDに比べ復旧できる見込みが高いです。

SSDには速度が早いというメリットはありますが、一度消えると復旧がかなり難しいため、HDD以上にバックアップに気を使う必要があります。